「ぶっきょうスクール」通信教育テキスト(その3)

第7講 「お経のついて」
 
●、静かなお寺に朗々と流れる、お坊さんのお経は、深い安らぎを私たちに、もたらし、
亡き人々への真の、ご供養となります。

日々、家庭のお仏壇に向かい、心をこめてお唱えする、お経は、家庭円満・社会安心・
世界平和への願いをはぐくみます。

このようなお経は、み仏さまのお声であり、血であり、肉であると言われています。 
それだけに、お経を聞く、お経を唱える、お経を写す、この清らかな行いが実践される時、
そこには、み仏さまと一つに溶け合った、真の幸福世界が生まれる事でしょう。

どれほど、世の中が移り変わろうとも、お経は決して変わる事のない、私たちが正しく、
安らかに生きて行く為の「羅針盤・らしんばん(方位磁石)」です。

お経に示された通り行い、生きて行くならば、まちがいは起こりませんネ!

●、「三通りの、お経の読み方」
 @、「口で読む」 
    声に出してお経を読むことを続けていれば、信仰心がわいて来るのですね。
 A、「心で読む」
    お経の意味や教えを理解し、その教えを他人に伝えて行く事なのですよ。
 B、「身体で読む」
    お経の教えを守り通し、日常生活に実践することですね。
 名医が病人のことを良く診察して、特効薬を与えても、病人が飲まないのであれば、
それは、お医者さんの責任ではないのです。

 あなたは、おシャカさまの説かれた教えを聞いて、それを実行していますか?

●、元・東京の聖路加国際病院々長の日野原重明先生著「いのちの終末を、どう生きる
か?」の一文です。 「私たちは、何か自分一人で、自分を向上させようと考えても困難
ですが、『私は、あの人のように行きよう・もう亡くなっているが、あの伝記に書かれて
いる、あの人の後を追って、その流れに連なりたい』という考えを持ち、そのような人を
発見し、見習うことができれば、強く生きることが出来るのではないでしょうか? 好き
な人や、いとしい人を探して結婚するという、あのひたむきな気持ちを思うと、人間とし
て生きるためにも、『私は誰の後を追っていくのか?』という事を、真剣に考えるべきだ
と思います」

私たち人間は、迷い・悲しみ・苦しみ・まちがいも起こします。 その時、すぐ帰るべき
流れが分かっていると、もとの正しい自分に、帰る事が出来る、という訳なのですね。 
それが「人生のらしん盤(方位じしゃく)」である、み仏さまの教えなのですよ!

第8講 「お彼岸とは」

●、本当に幸せになりたいのなら、真実の幸福とは何か?を、しっかりと見つめて、何が
起こっても、ゆらぐ事のない幸せを、つかんでこそ、本当の幸福なのです。
仏教では、この岸から彼の岸へ渡る、つまり、不幸の国から幸福の国へ、船で渡ることを
「彼岸に渡る」と言います。けれど、船を乗りまちがえると、幸せの国・彼岸へは渡れま
せん。
あなたの乗る船を、あなたの心で、あなたの身体で、しっかりと見ておく事の出来る日こ
そが、お彼岸なのですね。

●、宮大工の棟梁、故西岡常一さん著「木に学べ」の一文です。
「自然に育った木は、強いでっせ。 木は日に当たって、合成して栄養を作って、大きく
なるのですから、早く大きくならんと、隣の木の日陰になってしまう。
そして、風や雪や雨にさらされ、ここは雪が降るから、イヤと言って、木は逃げません
からな。 がまん強い木が勝ち残るんですわ。
千年たった木は、千年以上の競争を、勝ち抜いた木です。
人間も同じですな。 甘やかして、欲しいものが、スグに手に入ったんじゃ、いい者には
なりませんな。 木というのは、人間に似ていますよ」


●、幸せの国・彼岸へ渡る為の「六つの行い」
 @、「布施」 あなたは、物でも心でも、喜んで与えますか?
 A、「持戒」 あなたは、規律をしっかり守っていますか?
 B、「忍にく」 あなたは、苦しみ・悲しみを耐え忍ぶ事ができますか?
 C、「精進」 あなたは、何ごとも怠ることなく励んでいますか?
 D、「禅定」 あなたは、いつも深く考えて心を乱しませんか?
 E、「智慧」 あなたは、み仏さまの教えを学び、正しく考えて判断していますか?
この六つの行いの実行こそが、彼岸への切符であり、パスポートなのですね。

第9講 「お盆の心」

●、今、私たちは「使い捨て」「お金が一番」という経済の中で生活しています。
こんな生活が、いつまでも続く訳がありません。
「このくらいで、もう充分だよ!」「ほどほどに、しておきます!」この「足(た)る
ことを知る」生活こそが、仏教徒の「経済生活」です。
そろそろ、果てしない欲望から遠ざかって「知足(ちそく)」の生活に戻りませんか?
ご先祖さまが、残し伝えてくださった、この地球を守る為にも「知足(満足する事を知
る)」の経済生活をしなければなりません。
ご先祖さまから引き継いだ、地球を守る事ができれば、ご先祖さまの、ご恩に報いる事
ができるからですね。
「知足」の実行は、尊いご先祖供養ですよ!

●、「お盆とお正月には、各駅停車の人生を」
現代社会にいる私たちは、急げ急げと時間に追われ、いつも走っているような人生です。
走っていては、目に入らなかったものも、多いのですね
お盆は、この私が、生命のあることの有難さを、心の底から、考えてみる時であり、こ
の私の生命を、大事に、いとおしむ為にも、あるんですよ。
この私の人生は、二度とないのですから、もう少し、ゆっくり生きる事も、大切ですね。
あなたは、どうお考えですか?

●、「あなたが地獄へ落ちるならば、私も一緒に、参りましょう!」
お坊さんは、ボサツ(み仏さま候補生)の修行として、地獄行きを選びます。
地獄で苦しむ人々を、極楽行きの列車に乗せる為に、ワザと、そうするのですね。
しかし、あなたには、この世で生きている間に、極楽(お浄土)行きの切符が、手に入
るのですよ。
あなたが、その切符を手に入れる為に、どんな生き方が大切なのか?を、よ〜く考える
時が、お盆なのですね。
よ〜く、ご先祖さまと、お話をして下さいネ!